つくれ!きみの宇宙。

カードゲームができるまで#5

●ランドスケープを見つめ直す

初期ヴァージョンの「生きもの」カードには、「体力(力強さ)」「順応性」「珍しさ」などに対応したパラメータ(能力値)があり、ある意味RPG的な要素を持っていました。
「生きもの」同士が対戦するわけではありませんでしたが、そういった数字の処理をアナログでやりとりするには、それなりの「慣れ」ががないと難しいものです。

「やっぱ、もっとシンプルな基本ルールにすべきだよねぇ…」

ということで、一旦、これまでのゲームシステムを白紙にして新たな道を探すにあたり、どうしても「ゲーム作りの目的に立ち戻る」ことが必要になったわけです。

今年度事業の基本コンセプトに使われた言葉「ランドスケープ」
ゲームの中に、この「ランドスケープ」を組み入れるとしたら、どんな方法があるだろう…?
ここで言う「ランドスケープ」は、ただ単に風景とか景観といった意味だけではなく、生きもの・環境・人・建物・文化などが複雑に絡み合った、有機的な意味での「地域」というイメージです。
だとしたら、「絡み合った関係」を、何かで表すことができないかしら?

そこから生まれたのが「カラーライン」という色合わせを使った仕掛けでした。

上下の段の「カラーライン」が合うことが
カードを置くための基本ルール

色合わせゲーム自体は、低年齢の子どもを対象としたものからいくつもあって、それには「ことばでルールを理解しなくても遊べる」というメリットがあります。
また、合わせる=つなげる=関係性という見方をすれば、それは「同じランドスケープのカード同士の関わりあい」「色」に落とし込んだものとも解釈できます。
これなら、シンプルな「色合わせ」で遊びながら、ルールに慣れてもらうこともできるかもしれない!
正直、一筋の光が差した気がしました。

そして、もうひとつのヒントになったのが「生態系ピラミッド」と呼ばれる、生きものの補食・生存関係の絵でした。

●食物連鎖の三角形

生きものの関係性で、真っ先に頭に浮かぶのが「食物連鎖」だと言う人も多いかもしれません。
猛禽類や大型のほ乳類などは、度々「食物連鎖の頂点」などと呼ばれますが、棲息地域の生態系は三角形のピラミッド型で表現されることが多いですよね。

「だったら、ピラミッドとカラーラインで『ランドスケープ』を作れないかな?」

それが、「ランドスケープ大作戦カードゲーム」の、新しい基本コンセプトになりました。

完成した「ランドスケープピラミッド」の一例

つづく

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