●「鯖江市民主役条例」の目的

「自分たちのまちは自分たちがつくる」という市民主役のまちづくりを進めることを目的として、市民による市民のための「市民主役条例」が施行されました。
「市民による市民のため」の条例です。
・市民が主体性を持ち、自分事としてまちづくりに携わることを目指しています。

●理念型条例であることの意味

施行されたのは2010年(平成22年)4月1日 。牧野百男市長の時です。
全12条からなる、いわゆる理念型条例で、市民と行政(市)の関係や、公共への関わり方を、市民が主役と言う視点で簡潔にあらわした内容。
法律家ではなく、市民全体と共有するためのやさしい文章も特徴です。
条文のひとつひとつは、市民からなる策定委員が、言葉選びから細かい言い回しにまでこだわりを持ち完成させたものです。
正式な法律ですから、もちろん市議会で決議もされています。
策定にあたっては、市長の思いはもちろんですが、法律のプロでもある市の職員のサポートもありました。

元々、市民活動ボランティア活動が活発だと全国的にも知られていた鯖江市に、この条例が誕生したことは不思議ではないのかもしれません。
とは言え、日頃の生活の中で「条例違反」を問われるような内容ではなく、おそらくは、この条例に関心を持たない市民がそれなりにいるのも事実でしょう。

それでもこの条例は、「鯖江を、市民と行政がどう関わり合いながら形づくっていくのか」の拠り所となるものです。
ひとりひとりが、あるいは組織や地域が、何かを見失ってしまった時「あるべき姿」を確かめるために、この条例があるのだとも言えます。
あるいは、空気のように、無意識のうちに私たちの人生に寄り添って支えてくれるものに近いのかもしれません。

また「鯖江市民主役条例」には、最後の12条に見直し条項があります。
それは、人間と同じように、時代とニーズに合った「更新」「成長」の可能性を持っていることだとも言えるでしょう。
未完成だからこそ、そこに無限の可能性がある…ぜひ、そんな条例の一文一文を、味わって読んでみてはいかがでしょうか。