2021年2月のある夜。
遅れ気味になっていた日程調整が叶い、“生まれ変わった”カードゲームのお披露目テストプレイが行われました。
「カラーライン」を使ったピラミッド作りのシステムになってからは、協働団体の(一社)環境文化研究所さんを交えてのプレイは初めてです。
前のVer.にくらべてルールがシンプルになったこともあってか、数ゲームでの比較的短い時間で一応の感触は伝わったかなというタイミング。
環境文化研究所代表の田中さんから鋭い指摘がありました。
「ゲームのシステム上、『虹色ライン』でカードのつながり方に自由度を持たせるのはOKだとしても、絶対そこにいない『いばしょ 』と『生きもの』をつないじゃうのには違和感があるなぁ。」
実は、この時の青い「カラーライン」の「いばしょ」カードは、「川(源流)」「川(上流)」「川(中流)」「川(下流)」という具体的な流域別に区分けしてあったのですが、例えば低い水温の澄んだ水を好む虫や魚は、同じ青のラインでも「川(下流)」に棲むことはあり得ません。
今のままだと、それが平気でつながることが出来てしまうわけです。
まがりなりにも「生きもの」と「環境」の関係をゲームに落とし込むのであれば、少なくとも「ウソの情報」を与えかねない内容は絶対にNG!
その時点で、自分はまだその重大さに気づいていませんでしたが、田中さんの“譲れない”雰囲気は、ヒシヒシと伝わってきました。
微妙なゲームバランスを崩したくない自分としては、できる限り「修正・変更」をしたくなかったのが正直なところでしたが…
「いや、おそらくこれは、そんなワガママ言ってるレベルの問題じゃなさそうだよねぇ~…」と思わざるを得ないのも確か。
う~ん…より高い視点からの「違和感」をなくすために、何か良い知恵はないものか…
そうやって、どうにかひねり出したのが「川」をやめて、もっと汎用性のある「みずべ」という「いばしょ」名で統一する苦心の策です。
少々“大人の事情”みたいなごまかし方かもしれませんが、違和感の原因は、これまでのリアルイベントでの体験から、自分が「(淡)水」=「川」という固定概念に囚われてしまったからでもありました。
また、「源流」から「下流」までつながることで、ランドスケープに“川全体”を組み込める…みたいな自己陶酔的思い入れがあったことも白状します。
いやいや、やっぱり客観性は大切です!
田中さん、本当にありがとう!!
結果的には、「みずべ」にしたことで周辺の陸地も含まれる形になり、「虹色ライン」を持つ「ダンゴムシ」や「ハツカネズミ」が青色の「いばしょ」とつながっても、違和感がなくなりました。
「オモシロければイイ」だけじゃないゲームの本質を、ちょっとだけ垣間見せてもらえた貴重な体験。
これも、このカードゲーム作成に関わったからこそですネ。