サバヌシ総会2023レポート part3

第1部後半の「パネルディスカッション」では、さらに4人の方が登場。
それぞれが違った立場や視点で「市民主役」を実践する皆さんです。

●プレイヤー×サポーター

パネラーとして登壇したのは、
鯖江市市民協働推進会議委員長、青山茂右衛門さん
●NPO法人NPOみるみえる代表、加藤裕之さん
●合同会社Creators Company代表、酒井ゆきこさん
市民主役条例推進委員会委員長、蓑輪喜通さん

「鯖江市市民協働推進会議」は、鯖江市の条例で制定された、文字通り市民と行政の協働を推し進める組織です。
市長から委員を委嘱されたメンバーで構成され、活動開始以来、行政や市民に様々な提言も行っています。

「NPOみるみえる」は、目の体操やビジョンヨガなどのインストラクターや動画作成なども行いながら、行政による器具を使った子供たちへの視力検査の普及、「メガネのまち」ならではのまちづくりなど、多岐にわたる分野で活発な活動・提案を行っている団体。

酒井ゆきこさんは、結婚を機に鯖江に移住してきた経歴の持ち主。
女性や母親の視点を大切にしながらハンドメイド作品のマーケットを発案、行政と協力して運営し、多くのママさんクリエイターにも作品発表と収入の場を提供する起業家でもあります。

「市民主役条例推進委員会」は、鯖江市の「市民主役条例」を複眼的な視点でバックアップし、具体的な事業のアイデアを提供したり実施したりする市民による団体。
行政とも協定を結び、市民と行政の“接着剤”的な役割も担っています。

●そこにあった出会い支援

それぞれの経験にも「市民主役所」のヒントが

パネラーの皆さんが自己紹介を兼ねて語る経験や成果は、ドラマチックでワクワクする内容で溢れていましたが、そのどれもに必ず登場するのが、特別な人や組織との「出会い」「サポート」でした。
それは行政の人だったり、NPO団体だったり、もちろん、自分が一緒に活動する仲間だったり…
決して大げさではなく、それがなければ、それぞれの活動が花開くこともなかったのかもしれない。

そして、そんな「出会い」「サポート」に巡り会える場こそが、今年の総会のテーマでもある、「市民主役所」なのかもしれません。

●意識改革

話が終盤にさしかかり、コーディネーターから振られた話題が「意識改革」についてでした。
去年の総会での課題としてあがっていたように、活動の長い団体や事業に立ちはだかる“形骸化”“疲労感”には、自分たちの意識を変えることで乗り越えられる部分もあるのかもしれません。

加藤さんからは「めがねのまちさばえ」というブランドの大切さについての話がありました。
市民と行政のタッグで育ってきた「めがねのまちさばえ」のフレーズは、全国区のになりつつあるとのこと。
そこを意識することで、商業や産業だけでなく、地域アイデンティティーを持ったまちづくりへの道のりが見えて来そうです。

蓑輪さんからは、とにかく古いものに固執せず、「前向き」で地域のことに取り組むことの重要性が語られました。
「まずやってみる!」
行政も含めたそんな意識改革こそが、市民と行政の連携での課題解決につながるのかもしれません。

酒井さんは、「自分の生活」だけではなく、視野と意識を少しずつでも広げて、地域と重ね合わせるような意識が育ってくれればとの期待を話してくれました。
縮こまった意識から解放されることで、地域社会への興味を持ち、それが自分自身の幸せだけでなく、鯖江というコミュニティを活性化するエネルギーになるはずだと。

青山さんは、市民の「税金を払ってるお客様」的な意識がもたらす限界について言及。
“サバヌシ”の語源(鯖江の株主)同様、市民が“当事者”であり“責任者”としての意識を持たなければ「鯖江が滅びるかもしれない」
それくらい「自分ごと」として地域を見つめられるようになることが、「市民主役」「協働」を根源から強くするのではないかと熱く語ってくれました。

●ヒントを持ってワークショップへ

時間的にはコンパクトなパネルディスカッションでしたが、4人のパネラーのお話には、「市民主役」と、その拠点をイメージするヒントがちりばめられていたように思います。
そんな“材料”も持ち寄りながら、全員参加のワークショップへと進んで行きましょう!

part4へ続く

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