市民主役アワード2024受賞者紹介7

澤田 半壽郎 さん

「奇跡の一本松」ゆかりの
 ネイチャー・クラフト仙人

●松ぼっくりの声が聞こえた気がする

澤田さん(現在83歳)は、30年以上「ネイチャークラフト」のワークショップや「木育」「農業体験」などを中心に、様々な地域貢献を実戦してきたボランティアの“達人”です。
「ネイチャークラフト」とは、自然の材料を使って作る工作のこと。子どもから大人まで、誰でも楽しく経験できて、心にも残るプログラムです。
東日本大震災の後、陸前高田市にボランティアに入った澤田さんは、「奇跡の一本松」として有名になった松の「松ぼっくり」を拾って鯖江に帰ります。
それをクラフトの材料にできないかと乾燥していた時、自然と実が開いて、種がこぼれる音に気づきます。
澤田さんは、その音を「松の種が自分に助けを求めている声だ」と感じ、鯖江の地に種をまき、育てることにしたのでした。
今では枯れてしまった「奇跡の一本松」ですが、その種から大きく育った若木たちを、陸前高田に“里帰り”させた逸話は新聞でも取り上げられました。

松ぼっくりや色々な木材を使ったペン立てクラフト

鯖江で育つ「奇跡の一本松」の子どもの松
兄弟たちは陸前髙田に里帰りを果たした
松ぼっくりの「声」がなければ、種をまくこともなかったはず

「助けささえ合い」が自分のボランティア精神の本質とのこと。
「自然の声」を聞き、「自然体」でいろいろな活動に関わることが、自分の生きがいや喜びになっているとの思いもあるそうです。
クラフトの話はもちろん、農業やボランティア、人の生き方のことまで…
澤田さんの奥の深い語りに、一度耳を傾けられてはいかかでしょう。