サバヌシ総会2023レポート part4

さぁ、第2部のスタートです。
これまで何回も行われてきた“アイデア出し”のワークショップ「サバヌシ未来会議」ですが、今年はひと味違います!
…それは、今回の「サバヌシ総会」でまとめられた提案が行政へと届けられ、今後の「市民主役」の実際の拠点づくりにも反映される可能性があるから。
実行委員会の会議でも、参加者の皆さんが、どこまでそのテーマに応えていただけるかには、正直、多少の不安もありました。

●リアルなアイデア求む!

A~Gの7つのテーブルに分かれたサバヌシの皆さんは、ファシリテーターも入れて総勢38名。
1回の発言は1分まで。他人の発言を否定しない。…などの“ルール”は例年通りです。
ここで、本日の「お題」発表!

<お題>
「誰もが気軽に立ち寄れて、やりたいことが見つかったり、やりたいことを後押ししてくれる、活き活きと活動できる『市民主役所』とは?」

ちょっと長めかな?…とも思いましたが、本日の参加者の皆さんはシッカリと受け止めていただいた様子。
それぞれの自己紹介の後、テーブルのやりとりは、瞬く間に熱くなっていきました。

●フォーカスを絞って次へ

自分の意見を付箋に書いて、模造紙に貼って説明…
そんなオーソドックスな方法ですが、奇をてらわない分、安心して話し合いができる雰囲気にもなるものです。
世代も立場もバラバラ。
でも、だからこそ、テーブルごとの個性も出てくるのかもしれません。

最初のお題のやりとりで、メンバー同士のアイスブレイクも完了。
一段落したタイミングを見計らって、よりフォーカスを絞り込んだ次の話し合いに進みます。

2つ目のお題は、受付で渡された「市民主役所の設備・機能」の資料から好きなテーマに舵を切って、テーブルごとに深めていきます。
ハード面/ソフト面/やりたいこと/いてほしい人/資金調達/利用環境…などなど。
自分たちが“大切だ”と感じるテーマで盛り上がり、みんなの意見を聞くことで、また新しいアイデアへとつながって行く。
これこそが、「サバヌシ総会」ワークショップの神髄でしょう。

そんな話し合いの中、自分たちのアイデアを分類し、発表用の模造紙へと落とし込む作業も進み、討論の時間もギリギリとなって来ました。

それでは、発表の準備が出来たテーブルの皆さん、手を挙げてくださーい!

発表しまーす!

●個性が光る発表タイム☆

ありがたいことに、挙手の呼びかけに応えてくれたテーブルが3つもあり、意欲もズンと伝わってきます。
…ではまず、Cグループの皆さんの発表から!

Cグループの発表

Cグループの「市民主役所」へのイメージは、「集う場創り」から始まり、「人財育成」を経て、市民主役の「ゴール」へと向かう流れを表現しました。
「人材」ではなく「人」と書いてあることも、ひとひとづくりの重要性を強く意識している現れでしょう。
「こどもの居場所」「経営センス」「稼げるしくみ」といった、親子や経済も絡めた言葉に、地域の継続性と発展へのリアルさが感じられます。

Dグループの発表

Dグループからは、まずハード面でのユニバーサルデザイン化や、24時間利用可能な運営体制、会議室・展示場のNPOセンター以外への移設の可能性などの意見がありました。
また、活動の資金作りについても、「グッズ販売」「税金とは違う基金を作って分配出来る仕組み」といった、団体や施設の自主財源確保に向けた提案も披露されました。
印象的だったのは、会社の株主と同じように「サバヌシ総会としての投資と利益配分」を考えてはどうか…とのアイデア。
「市民主役」の視点で考える“投資”“利益”は、もしかすると「お金」だけではないのかもしれませんね。

Bグループの発表

Bグループの発表内容には、施設や機能へのアイデアから切り分けて「空間」「交流」といったカテゴリーが立てられていました。
そこには「市民主役」の本質が、人や団体そのもの以上に、その“あいだ”に創られていくというイメージが感じられます。
特別な施設の存在というより、普段のコミュニケーションや、空間共有することの大切さ…
模造紙に書かれた「トライ&エラーでいいじゃないか!」の言葉と相まって、効率化や成果主義に囚われない、どこか“安心感”のある内容に魅力を感じました。

Eグループの発表

模造紙上側の左に「施設面」、右に「ソフト面」と大きく書かれ、左右の柱には目的別の項目が配置された、見るからに論理的に構築された構成が目を引くEグループの発表。
自由度の高い「共有スペース」活用法、地元企業との協働への提案、顔の見える「情報発信」や、学生文化交通インフラまで網羅した検討内容は、一見&一聴の価値あり!
まさに多様な市民一人ひとりが“主役”になれる「市民主役所」を想像できる、広い視野を持ったプレゼンでした。

Aグループの発表

10歳未満から80代までのメンバーが集まったAグループ。
当然、世代を越えた「市民主役所」のあり方も話題のひとつです。
子供、子育て世代、高齢者…全ての市民が“お金をかけず”に楽しく集える場への期待が付箋にも書かれていました。
また、環境問題世代継承も視野に入れた「循環システム」の導入も特徴的です。
SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)的な視点は、継続的な地域社会の実現にも重要な要素。
発表を聞いて、目からウロコの参加者の方もいたのではないでしょうか?

Fグループの発表

Fグループの特徴は、“多様性”をいかに確保した「場」を創造できるか…のように感じました。
障がいのある方、外国にルーツを持つ皆さん、子育て世代からのニーズ、行政関係者に各種団体のメンバーなど…
それは多様な個性が集まり交流するからこそ、新しい可能性も生まれるという、市民社会の原点を再確認する内容だったのではないでしょうか。
他にも、建物が「めっちゃオシャレ!!」「入りやすい雰囲気」「24時間開放」といった、役所っぽくない外観や特性にも言及し、普段の生活の中で利用したい“親しみやすく魅力的な施設”のイメージが伝わりました。

Gクーループの発表

発表の最後を飾ったのはGテーブル。
模造紙の真ん中には「プラットホーム」の文字が書かれています。
「若者」「困っている人」「人と出会いたい人」「何かやりたい人」「学びたい人」
そんな一人ひとりが集まってつながるのが「市民主役所」という場所なのです。
市民主役のコンシェルジュがいて、アドバイスやネットワークをガイドしてくれたり、いろんなことを相談できる人がいたり…
懐の深い、優しい雰囲気の場がイメージできました。
また、「市民主役所の歴史を展示できるコーナーがある」というアイデアは、Gグループだけの着眼点。
「市民主役所」自体はこれからですが、鯖江の「市民主役の歴史」を確かめられることは、若い世代や興味がなかった人でも過去の財産を知ることができる大切な役割を秘めています。
地に足の着いた「市民主役」を次世代につなげていくためにも、一考の価値がある意見のようにも感じました。

●各テーブルの発表内容

もちろん、このページの記事だけでは、各テーブルでの発表内容全部を紹介できません。
当日の発表に使われた模造紙の内容を、読みやすいチャートに起こし、出されたアイデアの総まとめとしてPDFの資料を作成しました。
ぜひ、じっくり読み込んで、参加されたサバヌシの皆さんの思いを想像し、共感していただければと思います!

part5へ続く

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